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​契約書Q&A

Q 契約書にタイトルは必要ですか?

A 必ずしも必要なわけではありません。

 タイトルは作成日付などとあいまって契約書を特定することや、契約の種類や概要(売買、請負など)を一目で示すことが主な役割です。言うなれば”分かりやすさ”のために付けるものですので、タイトルがなくても契約の効力に影響することはありません。

 

Q 契約書には実印を押さないといけませんか?

A 実印(印鑑登録された印鑑)が望ましいですが、実印でないといけないわけではありません。

 印鑑の役割は契約書(文書)の作成者を証明することです。契約書の印影と契約当事者が持っている印鑑(それが実印であれ三文判であれ)の印影とが一致すれば文書の作成者を特定するという印鑑の役割は果たされるので、別に実印でなくてもよいです。ただ、その役割を一番期待しうるのは実印ですので、実印を用いるのが無難ではあります。

Q 契約書の訂正はどうやったらよいですか?

A 契約書の訂正の場合、遺言書のように決まった方法(民法968条2項)があるわけではありませんが、訂正箇所と訂正内容を示して訂正箇所付近に押印する方法で構わないでしょう。

 削除の場合は二重線や×印などで消せば削除箇所と削除の旨を示すことができるでしょう。追加の場合は追加箇所に波カッコを付けて追加の文字を入れれば追加箇所と追加内容を示すことができるでしょう。変更の場合は削除+追加と考えればよいでしょう。

Q 契約書の訂正印は契約印と同じものでないといけませんか?

A 訂正印は契約印(契約書の押印欄に押印したもの)を用いるのが無難です。

 訂正印と契約印が違う場合、契約印を用いることができないワケ(例えば、実は本人の了解が取れていないとか社内の決裁がとれていないなど)があったのではないかという疑問点がその契約書には残ってしまいます。契約書は後日の紛争に備えるためのものですので、あえてそのような疑問点を抱えた契約書にする必要はないでしょう。契約印の紛失や盗難がなければ訂正印は契約印と同じものとするのが無難です。

Q 「覚書」というタイトルであれば法的拘束力はありませんか?

A 契約の法的拘束力(効力)はタイトルではなく、本文中の内容により定まります。

 「覚書」というタイトルが付いていても法的拘束力が認められることはあります。

 タイトルは契約書の特定や契約の種類や概要(売買、請負など)を示すために付けるものであり、タイトルによって契約の法的拘束力が直接左右されることはありません。

Q 収入印紙を貼っていない契約書は無効ですか?

​A 必ずしも無効ではありません。

 収入印紙の要否は印紙税法の問題であり、契約当事者間の契約意思に直接影響を及ぼすものではありませんので、収入印紙がないから契約が当然に無効になるということはありません。

Q 連名の契約書の印鑑は同じものでもよいですか?

A 契約当事者の印鑑は異なるものを使用してください。

 印鑑は文書作成者を特定する機能がありますが、複数人で共同で使用されている印鑑の場合、その印鑑については文書作成者を特定する機能に疑問が生じます。

 連名の契約書つまり契約の相手方が複数いる場合に同じ印鑑を使用すると、印鑑が共同使用されていることがその契約書面から自ずと明らかという状態になってしまいます。これでは契約書に印鑑を押す意味が薄れてしまいます。印鑑をただ変えればよいというわけでもないのですが、連名の場合に契約書に使用する印鑑は異なるものを使用してください。

*この記事の内容は当職の個人的見解であり、一般論を述べたものです。個別の事案に対する解決策を保証するものではありません。

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